[書評]思考の整理学

ブログをやってて必ずといっても良いほど共通すること。

それは或る一つの事に対して考え、ブログに書くこと(アウトプットすること)だ。例えば本の書評もそうだし、撮った写真をあげるのもそうだし、ニュースの批評もそうだし、どこにっただとか、何を食べただとか、就職活動の内容を書くのもそうだ。

そもそもブログというのは一つのメディアであり、媒体として成立するものなのでこれは至極当然のこととも言える。

そしてブログの読者は、ブログという限りなく個人に依存した媒体を通して出てくる情報が、非常に有益である、信頼できると感じているから見に来るのである。そこにブログの大きな価値がある。

つまりブログの価値は「媒体としての触媒、つまりブロガーが素材の情報をいかに加工し、旨い情報として提供するか」にかかっている。そしてブロガー達はその触媒を、つまり自分を高めるか、というのが重要だということに気づく。

当然僕も、ブログを書いている以上、そのことは頭にあるし、星川という触媒を通したときに、素材が、出来るだけ旨い情報として提供できるようにブログを書く。それが溜まって自分のブログに価値が出ると考えてる。

前置きが長くなったけど、この本はその(ニュース、お店、本などの)素材の情報を、旨い情報へ調理するための本質的な情報が載っているところが素晴らしい。

1986年刊行ということもあり、デジタル情報革命の影響で読む必要の無い部分も多々あるが、それでも520円でこの情報は安すぎる。


以下抜粋

 



自分自身がどれくらい独創的であるかどうかはさして問題ではなく、持っている知識をいかなる組み合わせで、どういう順序に並べるかが緊要事なのだ。

寝させておくことにより、主観や個性が抜け、ありふれた素材と素材が思いがけない結合を起こして新しい思考を生み出す。

忘れるのは価値観に基づいて忘れる。

例えが対象そのものの旧名をひとまずおいて全く違うものの関係を発見し類推を成立させるように、中心的関心よりも周辺的関心の方が活発に働く可能性があるのがセレンディピティ

本当に面白いものと一時の興味との区分けをする労を惜しまない。

自分で考えた事柄について、第一次情報からの段階的抽象化が考えられ、断片的な一つ一つの着想は第一次的情報でそれほど大きな意味を持たず、これを発酵・混合・アナロジーを働かせ、他の思考と関連させ、まとめて、第二次的情報にする。
第一次的情報の思考を抽象化することにより第二次情報へとメタ化し、普遍化する。

 

思考を段階的に高めるにはどうしたらいいのだろうか。ただずっと考えているだけではダメだということがよくわかる。

一時的情報(素材の情報)を、醗酵・寝させる・セレンディピティ・結合・アナロジー等を経て抽象的かつ本質的な二次的情報(旨い情報)へとメタ化する。これが頭の中ではぼんやりと、経験上わかってはいてもなかなか上手くここまでまとめることは出来ない。

ブログを書かない人も普通にオススメの一冊。これを買って損をすることは恐らくないだろう。なんたって520えんだからw